東京湾岸近くの中央区に位置し、都営大江戸線の利便性と「築地」という歴史あるブランドを併せ持つ築地市場駅。かつては世界最大級の魚介類の取引が行われる築地市場の最寄り駅として国内外の観光客や業者が行き交い、独特の活気と文化を醸成してきました。市場機能自体は豊洲に移転しましたが、いまだ築地の街には老舗店舗が並び、朝から多くの人が行き交うグルメスポットや歴史的名所が点在しています。一方で、周辺にはオフィスやマンションなど都市機能が集積し、新橋や銀座、東京駅方面へのアクセスも良好なことから、今なお住みやすいエリアとして注目を集め続けています。ここでは、築地市場駅の歴史や周辺の治安、物件の家賃・中古価格の相場、そして地域住民が抱く駅への印象を包括的にまとめ、最後におすすめの周辺施設を10ヵ所ピックアップしてご紹介します。
1.築地市場駅の歴史
- 大正から昭和にかけての市場整備
築地市場の起源は大正末期から昭和初頭にかけて東京市が整備した公設市場に遡ります。大正末期、関東大震災後の復興計画に伴い、日本最大の魚市場が築地に集約され、昭和期には国内外の商人が集まる国際的な市場へと発展していきました。築地の名前は「埋め立て地」を意味する通り、江戸時代に海を埋め立てて作られた地域に由来しています。 - 都営大江戸線の開業と駅設置
平成12年(2000年)に都営大江戸線が全線開業し、新宿方面と湾岸エリアを結ぶ路線として交通利便性が大幅に向上。築地市場駅もこの際に設置され、築地市場へのアクセス拠点としての役割を果たすことになりました。旧市場時代には早朝から多くの観光客や業者が駅を利用し、賑わいを見せる姿が日常風景となりました。 - 豊洲移転と令和の展開
平成30年(2018年)に築地市場の機能が豊洲市場へ移転したことで、築地市場自体は閉場となりましたが、駅周辺の築地本願寺や築地場外市場、周辺の飲食店街などは観光地として今も多くの人で賑わいます。また、再開発の計画が進む中、築地市場の跡地利用や新たな商業・文化施設の建設が予定されており、今後さらに都市としての魅力が高まると見られています。
2.駅周辺の治安
- 観光客・業者の往来が生み出す活気
かつての築地市場機能こそ移転しましたが、今なお場外市場や老舗店舗を訪れる観光客や業者が一定数行き交うため、日中の人通りは多く、活気に満ちています。オフィスビルや店舗も多く、警視庁や消防署との連携体制が整っているエリアでもあり、日中や夕方の治安は良好と評価されがちです。 - 夜間の様相と注意点
夜間は観光客が減少し、オフィスや店舗も閉まるため、人通りが少なくなる場所が存在します。裏路地や住宅街では深夜帯の静けさが増す一方、街灯や防犯カメラの整備が進んでいるため、大きなトラブルは少ないとの意見が多いです。基本的な防犯意識を持てば大きな事件に巻き込まれるリスクは低いとされています。 - 地域コミュニティと行政連携
築地というエリアは昔から商人や市場関係者のコミュニティが強く、移転後も商店や住民同士の連携が残っています。自治体や警察との協力によるパトロールや防犯対策が行われており、駅周辺での軽犯罪や大規模事件は比較的少ないと評されます。
3.築地市場駅の物件家賃相場
- 単身者向け(ワンルーム・1K) 都心へのアクセス力とブランド力から、ワンルーム・1Kの家賃相場は9万~12万円程度が多く、駅に近い築浅マンションでは13万~14万円に達する場合も。築古や駅からやや離れた場所なら8万円台も見られますが、都心エリアとしてはやや高めの水準が維持されています。
- ファミリー・カップル向け(1LDK~3LDK) 1LDK~2LDKで15万~25万円、3LDK以上になると30万円以上になるケースもあり、都心水準としては標準~やや高め。築地や銀座に徒歩圏という利便性や、東京駅・新橋駅など主要駅への短時間アクセスなどが要因となり、物件需要が高止まりしていると考えられます。
- 築年数・駅徒歩での差 駅直結や築浅の高層マンションは賃料が高騰しがちですが、徒歩10分以上離れた場所や築年数が経過したアパート、ビル建て替え前のマンションなどでは家賃を抑えられる例も存在。周辺には小規模の住宅街もあり、物件のバリエーションが豊富です。
4.築地市場駅の中古価格相場
- マンションの価格帯 駅周辺での中古マンションは、1LDKで4,500万~8,000万円程度、2LDK~3LDKでは8,000万~1.2億円以上になる例もあり、都心の主要エリアとして地価が安定しているため高値がつきやすいです。再開発や将来的な利便性向上が見込まれることから、投資用・実需用ともに需要が根強いとの意見が多いです。
- 戸建て物件の希少性 築地市場駅周辺はマンション開発が中心なため、戸建て物件の流通が限られています。昭和~平成初期に建てられた木造戸建てや狭小住宅が時折売りに出される場合があり、5,000万~8,000万円程度の価格帯が見られます。リノベーションや建て替えを前提に購入する層もおり、好条件の物件は早期に取引されやすいです。
- 再開発と市場の今後 築地市場の跡地利用や再開発計画が進む中、今後の街の様相が大きく変わる可能性があるため、価格が底堅く推移するとの見方があります。都心アクセスの良さに加え、観光客やビジネス需要が根強いため、中古物件の投資価値や資産価値も高めという意見があります。
5.みんなの駅の印象
- 下町風情と国際色の混合 老舗の寿司屋や和食店など食文化が根付く築地らしさを感じつつ、海外観光客やインターナショナルな要素が混在するエリアとして、住民や訪問者から“下町と世界が融合する街”と表現されることが多いです。朝は市場の雰囲気を残す活気があり、昼から夕方にかけては観光客が食事や買い物を楽しむ姿が印象的です。
- 交通アクセスと職住近接の魅力 都営大江戸線をはじめ、新橋・銀座方面への乗り換えなども容易で通勤や観光に便利という声があります。特に朝早くから活動する人や夜遅くまで働く社会人にとって、短時間で主要エリアへアクセスできる立地は大きな利点です。
- 夜間の落ち着き 華やかな歓楽街があるわけではないため、深夜帯は意外と落ち着いた雰囲気を保っているとされます。飲食店や居酒屋が一定数あるため、仕事終わりに軽く食事や一杯飲んでから帰るスタイルが可能。防犯カメラや警備が整っており、夜道でも比較的安全との意見が大勢です。
- 観光客と市場移転の影響 豊洲移転後も築地場外市場や近隣の観光地を訪れる人が多く、国際色豊かな街となっています。一方で、かつての市場の賑わいはやや落ち着いたとの声もあり、今後の跡地利用や再開発計画に期待がかかります。観光地らしい面とローカル住民の日常が共存する独特の街並みが人々を惹きつけています。
6.周辺施設のピックアップ(10選)
- ファミリーマート 築地市場駅前店
24時間営業のコンビニ。弁当やお菓子、各種サービスを深夜帯でも利用可能。
ファミリーマート 築地市場駅前店 - ココカラファイン 築地市場店
医薬品・化粧品・日用品を豊富に取り扱うドラッグストア。薬剤師が常駐し処方箋受付も可。
ココカラファイン 築地市場店 - サイゼリヤ 築地市場駅前店
全国展開のイタリアンレストラン。手頃な価格でパスタやピザを楽しめ、観光客にも人気。
サイゼリヤ 築地市場駅前店 - ダイソー 築地市場駅前店
100円ショップでキッチン用品や文房具、収納グッズなど幅広く取り揃える。
ダイソー 築地市場駅前店 - 築地市場駅前郵便局
郵便やゆうパック、銀行関連サービスをまとめて利用できる。駅前で時間がないときでも寄りやすい。
築地市場駅前郵便局 - まいばすけっと 築地市場駅前店
小型スーパーで、生鮮食品や日用品を夜遅くまで購入可能。共働きや単身生活をサポート。
まいばすけっと 築地市場駅前店 - 築地本願寺(歴史的建造物)
インド仏教建築を思わせる荘厳な外観が特徴の寺院。定期的に行われるコンサートや法要に観光客も訪れる。
築地本願寺 - 浜離宮恩賜庭園(公園・歴史的庭園)
江戸期の大名庭園を起源とする緑あふれるオアシス。散策や四季折々の花を楽しめる。
浜離宮恩賜庭園 - 東京交通会館(少し離れた商業施設)
地方のアンテナショップや飲食店が集まり、観光客や地元民が多く訪れるショッピングビル。
東京交通会館 - 銀座コリドー街(飲食店街・ショッピングセンター)
駅から少し足を伸ばせば到達できる銀座の一角。多彩な飲食店やバーが集まり、夜の街歩きに最適。
銀座コリドー街
7.まとめ
築地市場駅はかつての築地市場の賑わいを今に伝えつつ、豊洲移転後も下町風情と観光地としての魅力を維持するエリアとして活気を保っています。都営大江戸線で新宿や六本木、汐留方面へ直通でき、さらに銀座や東京駅など主要エリアへも短時間でアクセス可能な利便性が特徴。周辺には築地場外市場や老舗飲食店、歴史的寺院など観光要素が色濃く、国際的な街の雰囲気を感じられると評判です。
治安面は大規模歓楽街がないため夜間の騒音やトラブルは少なく、行政や地域による防犯活動も盛んで比較的安全との見方が一般的。一方、家賃や中古物件の価格は都心ブランドとアクセス力を反映して高めの水準を維持しているため、希望条件によっては築古や駅からやや離れた物件を探すなど工夫が必要。海や川、歴史的文化が混じり合う築地エリアで、都心での快適な暮らしを考えてみるのも良いでしょう。
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